スポンサーリンク
普段何気なく目にしているハチミツやその関連食品。
ラベルや成分表示に「純粋」という単語をよく目にすると思いますが、あまり深くは考えたことがないかもしれません。
もちろんありますよ!

写真はとある飲料の成分表示ですが、たまーーに、こういったものを見かけます。これはまた「純粋」とは違う種類のハチミツに分類されますね。
今回は「純粋」とそれ以外のハチミツについてのお話です!
それと何かと心配になりがちな「ハチミツの偽物」についても、Youtubeでわかりやすい見分け方の動画を見つけたので、それもここで紹介しようと思います!

ハチミツは大きく4つに分類される
ハチミツは『純粋ハチミツ』『精製ハチミツ』『加糖ハチミツ』『巣ハチミツ』の3つに大きく分類されます。
最近見かける「生ハチミツ(Raw Honey)」や「国産天然ハチミツ」などは『純粋ハチミツ』の部類ですね。
まずこれらをそれぞれ簡単に解説します!
純粋ハチミツ

ミツバチが花の蜜を集めて、巣の中で濃縮・貯蔵していたものを人間が採集しただけのものです。

でもこの普通が結構大事だったりします。
純粋ハチミツは、
基本的に人間の手で加工されることはありません。
蜂の巣から集める時に、網や布とかでろ過(目に見えるレベルのゴミを取り除く程度)をするくらいです。
マヌカハニーのように、舌触りをクリーミーにするために、少し結晶化させる処理(スターターハニーと呼ばれる結晶化した純粋ハチミツのカケラを入れて攪拌し全体を適度に結晶化させる処理)をしている場合はあったりしますが、そういうのはかなりレアケースなハチミツです。
(このクリーミー化処理については↓こちらの記事をご参照ください)
とにかく、純粋ハチミツは
『何も足さない、何も引かない』
が基本です。

そうですね(笑)書いていて思いました。
なぜ加工を加えないのかと言うと、
『余計なことをすると風味や栄養成分が損なわれてしまう』
からです。

そうなんです。
そして厄介なことに国内に広く流通しているハチミツは、ラベルに「純粋」の文字が入っていても、何かの公的機関っぽいマークがついていても、余計な処理で栄養成分が損なわれている可能性があるそうです((((;´・ω・`)))
コンビニやスーパーで売られている安価な純粋ハチミツの9割以上がこの「余計な処理をされた」ハチミツだと言う話もあるほど。

まぁ9割というのは色々な情報の中での最大値なので、実際はもう少し低いかもしれません。でもネットだけではなくて専門の書籍とかでも、必ずといっていいほど言及されていることなので、想像以上にそういった『偽物』が出回っている可能性は高そうです((((; ゚Д゚)))
『偽物』は具体的にどういった処理で、何を失ってしまっているかは後述しますね!
精製ハチミツ
お目にかかることはとても稀です。
『加熱し減圧釜などを使ってハチミツから香りや色を取り除いたもの』
で、食品加工や飲食店などの業者向けのハチミツです。
ハチミツ風味のお菓子・飲料・料理などで使われることがあります。風味は「ハチミツ100%キャンディーの味」というのがイメージしやすいでしょうか。
純粋ハチミツであれば「蜜源になっている植物の特徴」がハチミツを食べたときに感じられますが、精製ハチミツにはそういった蜜源植物の気配はまったく感じないです。
「精製はちみつ」とは、はちみつから臭い、色等を取り除いたもの。
引用:全国公正取引協議会連合会|はちみつ類の表示に関する公正競争規約

加糖ハチミツ

純粋ハチミツに、
『他の糖類や甘味料を加えたもの』
になります。
他の甘味料の比率は大きいものだと40%くらいになるとか。
価格は「純粋ハチミツ」に比べると非常に安価です。
これは一般販売されており、ラベルに「加糖」と書いてあるので見かける機会があるかもしれません。
「加糖はちみつ」とは、はちみつに異性化液糖その他の糖類を加えたものであって、はちみつの含有量が重量百分比で60パーセント以上のものをいう。
引用:全国公正取引協議会連合会|はちみつ類の表示に関する公正競争規約

異性化液糖というのは、芋類などのデンプンから精製した糖です。
砂糖より後味がスッキリしていて低温でも甘味を強く感じるため、アイスやジュースによく使われています。砂糖のようにベタ付きもしないので、貯蔵や運搬がラクなのも普及を広めた要因だそうです。
ブドウ糖果糖液糖・果糖ブドウ糖液糖・高果糖液糖・砂糖混合異性化液糖などの種類があります。

巣ハチミツ

「巣みつ」とか「コムハニー」、「ハニーコム」とか言われることもあるそうです。
簡単に言うと、
『ハチミツが、蜂の巣ごと売られているもの』
になります。普通は蜂の巣からなんらかの方法でハチミツだけ取り出すのですが、それをせずに蜂の巣ごと封入して販売しているものが「巣ハチミツ」になります。

その辺はある程度大丈夫のようです。
表示規約によると、
「巣はちみつ」とは、新しく作られて幼虫のいない巣房にみつばちによって貯えられたはちみつで、巣全体又は一部を封入したまま販売されているものをいう。
引用:全国公正取引協議会連合会|はちみつ類の表示に関する公正競争規約
とあります。
『ザクザクした食感がクセになる』という評判をよく聞きますね!
↑実際に巣ハチミツを食べている時の音

純粋ハチミツの『偽物』

ここからは気になる『本物』と『偽物』の違いについて。
前半は座学、後半が「見分け方の実践編」です。
上述で「余計な処理をして風味や栄養分が失われているのが偽物」と書いてしまいましたが、これは、
『ハチミツ本来の風味を楽しみつつ、健康や美容にいいことをしたい』
と願ってハチミツを買う人にとっては偽物になるという意味です。
『ハチミツ風味の甘さがあれば、それでOKだよ』
という方にとっては、ここでいう偽物ハチミツでも、「お手頃な価格で手に入るハチミツ=いいハチミツ」になります。

一応、そうでない方もいたら語弊があるなぁと思って、最初に断りを入れておこうかと…(汗)
余計な加熱処理

さて、先ほどから「余計な処理」と記述してきましたが、これはほぼ加熱処理になります。&

いいえ、これは水分を飛ばすために加熱するのです。
花の蜜は水分が約70%を占めています。
このままでは長期保存ができないため、ミツバチたちは巣の中で3〜4日かけて水分を飛ばし、最終的には20%前後まで濃縮します。
本来の純粋ハチミツであれば、この濃縮された蜜を採集して瓶詰めするわけです。
しかし業者によってはコストや収穫量の問題で早く採集してしまう場合があります。
その場合は水分が多いので、人間の手で加熱処理をするというわけ。
以下に、加熱するとどんな成分が何℃くらいで失われるのかまとめました。
栄養成分名 | 失われる温度とその形態 |
ビタミン類(主にビタミンB群) | 40℃付近から溶出が始まるとされる。完全に破壊されるのは100℃で長時間加熱に晒した場合※1 |
グルコースオキシダーゼ(酵素の一種で過酸化水素(一般的なハチミツ殺菌力)の源) | 60℃以上で変質が始まる※2 |
アミノ酸類 | グルタミン酸が180℃で120分加熱すると68%分解されたが他のアミノ酸の分解率は3%未満※3 |
ポリフェノール類 | 180℃以上の加熱で有意な抗酸化活性低下が起きる※4 |
※1参考:JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY|A STUDY OF THE HEAT STABILITY OF THE VITAMIN B FACTORS REQUIRED BY THE CHICK(C.A.ELVEHJEM etc)
※2参考:BIOTECHNOLOGY and BIOENGINEERING|Thermal stability of glucose oxidase and its admixtures with synthetic polymers(James J.O’malley Robert W.Ulmer)
※3参考:社団法人日本家政学会|アミノ酸単独液の熱安定性(後藤 泰子, 柴田 ときは)
※4参考:U.S. National Library of Medicine|Influence of heating on the polyphenolic content and antioxidant activity of grape seed flour.(Ross CF etc)

まぁあくまで目安として捉えてください。
業者がどのような条件下で加熱しているのかが不明なのでなんとも言えませんが、ハチミツ関連の本や専門家のコメントとしては
『加熱処理によって、ハチミツ本来の風味と栄養分が著しく損なわれている』
というのは一致した意見のようです。
でも加熱処理やその処理によって成分的にどうなっているとかは、ラベル記載義務がないので、法律的には「純粋ハチミツ」と表記できてしまうわけですorz

ちなみにボツリヌス菌は、「芽胞」という熱に強くハチミツの殺菌力の影響も受けない硬い殻に覆われているため、この加熱処理では死なないそうですよ。
純粋と言いつつ何かを混入させているパターン

数年前イギリスや中国で大問題になったハチミツ偽装事件がありました。
昨今、世界で注目されているマヌカハニーですが、その中に水あめやコーンスターチなどの他の甘味料や、安い別の種類のハチミツを混ぜていたというもの。
マヌカハニーに限らず、他の種類のハチミツでもそういった他の安い甘味料を混ぜて高く売りつけるという悪徳商売が残念ながら存在します。

全くですね!
別のものを混入させているのは、かなり悪質な例です。
法的に完全にアウト!
本物と偽物の見分け方は?
引用:Youtube|Real v. Fake Honey – How can you tell the difference?
さてでは具体的にどう見分ければいいのでしょうか?
ここからは実践編です!
上の動画はYoutubeから引用してきた英語での見分け方ですが、とてもわかりやすかったので、ここでポイントごとに解説させてもらいます。
#1 成分表示をチェック
動画は英語圏のものなので、日本語の成分表示とはちょっと勝手が違いますが、原材料名にハチミツ以外のものが書かれているとそれは混ぜ物がしてあります。(これは言われなくても、という感じですね(汗))
#2 価格をチェック
妙に安いものは偽物の可能性があります。
一概には言えませんが、100gあたり300円を切るようなハチミツは疑わしいようです。
燃料費やビン・ラベル代・人件費を考慮すると、最低100gを300~500円前後で売らないとボランティア活動だと私は思います(日本製ハチミツの場合)。
引用:浦添養蜂園|偽物ハチミツを書いたくない人へ
このように述べている養蜂家さんもいます。
もちろん、在庫処分とか訳あり品とかでグッと安く設定している「本物のハチミツ」もあるでしょうが、そういったものはほとんど直販でしか手に入らないものだと思います。
#3 ハチミツの容器をひっくり返してみる
容器をひっくり返したときに、すぐ液が滴り落ちてしまうのは偽物の可能性があります。
動画を見るとわかりますが、偽物の方はすぐに液が落ちてしまう上に、なんだか雫も水っぽい感じがしますね。
#4 雫の滴り方をチェック
#3のところでも触れましたが、混ぜ物をしてある偽物ハチミツはやはり水っぽさがあるようです。
お箸などで雫を垂らしてみると、本物の方はいつまでもトロ〜っと糸を引くような垂れ方をしますが、偽物の方はすぐに水滴のような滴り方になっていますね!
#5 お湯に溶かしてみる
70度くらいのお湯にハチミツを入れて、その溶け方を見ます。
本物の方はお湯の中に入れてもそんなにすぐには溶けないですが、偽物の方はすぐにハチミツの液の輪郭がぼやけて急速に溶けているのが見て取れます。
#6 少量を水に入れて振ってみる
室温の水に少量のハチミツを入れて、激しく振ってみます。
動画では1〜2オンスのハチミツの量とありますが、グラムで言えば約30〜60gくらいなので、大さじ2〜4杯くらいでしょうか。あまり量は神経質にならなくていいと思います。
激しく振った後、何を見るかというと、泡立ち方と泡の消え方に注目してください。
本物の方は泡のキメが細かく泡の持続も長いですが、偽物の方は泡が大きくすぐに消えていきます。
購入前に見分けることは可能?

えーと、その場合はですね、一部の販売店などでは以下の点に注意すべしと言われていたりします。
- 透明度が低く濁っている(本物は花粉なども入っているため)
- 比較的淡い色をしている(加熱処理するとコゲて茶褐色に近い濃い色になるため)
- 結晶化する(水飴などの添加物は結晶化しないため)
- 蓋を開けた瞬間に香りがする(加熱処理されているものは香りが飛んでいて弱い)
- 容器を逆さまにした時に泡立たない(加熱処理が不十分で水分が多いと泡立つ)
ただですね、個人的にはちょっと参考にならないかなと…

うーん、そうなんですけど…
例えば「透明度が低くて濁っている」といっても、アカシアハチミツのように綺麗に透き通った種類もありますし、偽装する業者は中に花粉などを入れてワザと濁らせたりする場合もあるらしいです。
「比較的淡い色」というのも、ソバのハチミツとかコーヒーの花のハチミツとか、ミネラル分の多いハチミツは茶褐色〜黒に近い色をしてます。

そうなんです。
上で挙げた注意点は、お店の商品棚の前で試すのが難しいものがある上に、本物なのにそれを「偽物」と判断してしまう恐れもあると思います。
ですので、買う前に本物と偽物を見分けるのは中々難しいのではないかというのが率直な意見ですね。
- 安価すぎたり、大量生産的な雰囲気のものは偽物の可能性が高い。
- 養蜂家の情報(氏名・養蜂場名など)が記載されていれば幾分は信用できる。(やましいところが無い、責任の所在がハッキリしている)
くらいの判断しかできないような気がします….
書籍やネットで、
『ハチミツは信頼できるお店で買いましょう』
とよく言われる理由はここなんですよ。

では、そんな迷えるハニウィキちゃんのためにこちらの記事をご紹介します。
これはマヌカハニー中心の記事ですが、この中で紹介しているハチミツ専門店は色んな種類のハチミツを取り揃えています。
個人的には信頼できるお店だと思いますよ!実際、私もよく利用してます。
スポンサーリンク
さいごに
これを読まれたあと、ハチミツに対する不信感がMAXになってしまってるかもしれません….
いろいろ書きましたが、本物のハチミツを手に入れたい場合は、養蜂場の直販もしくはそこからダイレクトに仕入れている専門店、海外ハチミツ大手メーカーの正規代理店から購入すれば、概ね安心だと思います。
安価なハチミツには気をつけましょう、というくらいに捉えていただければ幸いですm(_ _)m
ちなみにハチミツは絞り方でも呼び名が違う場合があります。
私たちが普段目にしているのは、国産・海外産ともに「遠心分離機」で絞り取ったハチミツですが、それ以外の伝統的な方法で絞ったハチミツである「垂れ蜜」「濁り蜜」と呼ばれるものもあります。
これらは超レアなハチミツですので、ご興味があればそちらもご参照ください。

最後まで読んでくれて、ありがとう!
スポンサーリンク