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カレーやシチューの隠し味や、ちょっと甘くしたい時には、ハチミツが便利ですよね。
ハチミツを入れることで、コクが出てスパイスも引き立ちます。
でもこんな経験ありませんか?
「ハチミツを入れたらとろみが無くなってサラサラになってしまった…」
そうなんです。時間が経てば冷えてまたとろみが出るかなぁと思いきや、サラサラ状態のままなんですね。
サラサラのスープカレーみたいな感じが好みな人はいいんですが、とろみのある方が好きな人にはちょっと残念な仕上がりになってしまうのです。
そこで今回は、
- どうしてハチミツを加えるとサラサラになるの?
- とろみを維持するには、どのタイミングで加えれば良い?
についての情報をお届けします!

もくじ
カレーやシチューがサラサラになる理由

そもそも、ルウのとろみ成分は何?
カレーやシチュー、ハヤシライスなどのルウは、『小麦粉のデンプン』でとろみをつけています。
このデンプン成分が鍋の中の水分と結合して、『糊』のような粘りを出すため、スープにとろみが出るんですね。
専門用語でこれを「糊化(こか)」というそうです。
糊化
デンプンを水中に懸濁し加熱すると、デンプン粒は吸水して次第に膨張する。加熱を続けると最終的にはデンプン粒が崩壊し、ゲル状に変化する。この現象を糊化(こか)という。このとき、デンプン懸濁液は白濁した状態から次第に透明になり、急激に粘度を増す。引用:Wikipedia|デンプン

ハチミツがとろみを消してしまう理由
ではなぜハチミツがとろみを無くしてしまうかというと、これは『アミラーゼ』という酵素が原因です。
アミラーゼはデンプン(糖質)を分解して糖にする酵素で、人間の唾液にも含まれています。
ハチミツにもアミラーゼが含まれており、それがルウのデンプンを分解してしまうため、スープがサラサラになってしまうんですね。

ハチミツ投入はいつがベスト?

ではいつハチミツを投入すれば良いのか?ですが、それは
ルウを加える前です。
- 具材を切って鍋で炒める
- ある程度火が通ったら、ひたひたになるまで水を入れる
- 沸騰させてしっかり火を通す ←ここでハチミツ投入!
- 火を止めてルウを入れる
- 弱火でコトコト煮込む
そして加えるタイミングだけでなく、もう1つポイントがあります。
ハチミツを投入したらその後20分以上の沸騰時間を確保すること。
これは前述したハチミツの中のアミラーゼを完全に分解させるには、20分くらいの沸騰が必要なため。
- はちみつは、ルウを入れる前に入れてください。
- そして20分以上、煮込んでください。加熱時間が短いと、当日にはとろみがついても、翌日とろみが無くなる事があります。
- はちみつにはアミラーゼという酵素が含まれており、とろみのもとになるでんぷんを分解してしまいます。ルウを入れる前に良く加熱することで、アミラーゼの働きを失わせるのがコツです。
引用:ハウス食品|とろみのコツ
どうやらしっかりアミラーゼを分解できていないと、翌日はサラサラになってしまうこともあるみたいですね。
「昨日はとろみがあったのに、一晩経ったらサラサラしてる…なんで?」
ということがあったなら、それは加熱不足が原因かもしれません。

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ハチミツ以外でサラサラになる要因

ハチミツ以外のアミラーゼ
よく言われるのが「人間の唾液」です。
唾液にも消化酵素としてアミラーゼが含まれていますので、それがルウのとろみ(デンプン)を分解してしまいます。
味見をするときに、鍋をかき混ぜるお玉やスプーンを直接口につけると、ほんのわずかな唾液が鍋の中に混入することになり、それがサラサラの原因になってしまうこともあるとか。
- 味見で口をつけたお玉やスプーンを鍋に戻さないでください。お玉やスプーンについたわずかなだ液でも、とろみがなくなることがあります。
- だ液には、アミラーゼという酵素が含まれており、とろみのもとになるでんぷんを分解してしまいます。
- 小皿に移して味見をしましょう。
引用:ハウス食品|とろみのコツ
なので、味見は小皿にとって、それで味見しましょう。
鍋の前での「くしゃみ」も油断できないかもしれませんね。。。

具材の水分が多い
意外と見落としがちですが、水分の多い食材を使っている場合もサラサラなりやすいです。
「玉ねぎ」や「もやし」などは容易に想像がつきますが、他にも「ナス」「小松菜」なども水分量の多い野菜ですね。
以下に参考として、主なカレーやシチューの具材の水分量を示します。
野菜 | 可食部100gあたりの水分量(グラム) |
緑豆もやし | 95.9 |
小松菜 | 94.0 |
ナス | 93.2 |
ほうれん草 | 91.5 |
エリンギ | 90.2 |
玉ねぎ | 89.7 |
にんじん | 89.7 |
オクラ | 89.4 |
さやえんどう | 89.1 |
かぼちゃ | 84.0 |
じゃがいも | 81.0 |
参考:野菜ナビ|栄養成分一覧表(水分)

じゃがいもの種類
どんな品種のじゃがいもを使っているかでも、スープのとろみは変わります。
一般的に、とろみを出したいなら「男爵いも」、サラサラが好みなら「メークイン」や「ニシユタカ」と言われます。
これはじゃがいもの煮崩れ具合が関係しているそうで、言い換えると、
- 「男爵いも」は煮崩れしやすい=とろみが出やすい
- 「メークイン」「ニシユタカ」は崩れにくい=サラサラになる
ということらしいです。

ルウ投入後の煮込み不足
市販のルウのパッケージ裏面に簡単な調理手順が書かれていると思います。最終段階で、
「ルウを入れたら再び加熱して、かき混ぜながら煮込む(約10分)」
と書かれているものがほとんどではないでしょうか?
これは単にルウを溶かすというだけではなく、ルウに含まれるデンプンがスープにとろみをつける猶予時間を確保してあげる意味合いもあります。
ルウを入れてすぐとろみが出るわけじゃないんですね。。。。

サラサラになった時の対処法
小麦粉や片栗粉を入れる
単純にとろみの起源であるデンプンを追加で入れる、ということですね(笑)
単純ですが一番手っ取り早い方法です。
ただし1つだけ注意したいのは、「水溶き」で入れること。
面倒だからと粉の状態のまま入れてしまうと、ダマができてしまい、食感が非常に悪くなってしまいます。

様子を見ながら少しずつ入れましょう!
すりおろしたじゃがいもを入れる
これも言ってしまえば「デンプンを追加する」ということになりますね。
塊で入れてしまうと単に具材を追加しただけになってしまうので、必ずすりおろしましょう。
そうすることでスピーディーにとろみを確保できます。

チーズを入れる
これは、「ほんのちょっとだけ」とろみを追加したいときにオススメです。
スープが何味かでチーズが合うかどうかの問題もありますが、カレーとかには概ね合うのではないでしょうか?
またいわゆる「翌日のカレーに飽きる」場合にもチーズを入れるとちょっと味が変わるので、翌日のカレーがサラサラになってしまった場合でも使えそうです。

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まとめ

ではここまでの情報をまとめます。
ハチミツでサラサラの理由
- ハチミツに含まれる「アミラーゼ」という酵素が原因。
- アミラーゼはとろみ成分のデンプンを分解してしまう。
- アミラーゼの効果をなくすには20分ほどの沸騰が必要。
- ハチミツはルウを入れる前に加えるのがベスト!
ハチミツ以外のサラサラ原因
- ルウを投入してから加熱時間が短い。
- 具材の水分量が多かった。
- 唾液など、他のアミラーゼ要因がからんでた。
サラサラになってしまったら
- 水溶きの小麦粉や片栗粉を入れる。
- すりおろしたじゃがいもを入れる。
- チーズを入れる。
こうして情報をまとめたあと、改めてルウのパッケージ裏面を読むと、大事なことは確か書いてありますね。。。
今まであんまり意識して見てなかったです(反省)

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