農薬だけじゃない!?ミツバチの大量死(蜂群崩壊症候群)に繋がる4大原因とその対策とは?

ミツバチの巣のイメージ

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何年か前に「ミツバチの大量死」が話題になりましたね。

2000年ごろから、巣の中のミツバチが女王蜂や幼虫を残したまま突然いなくなったりする、いわゆる『蜂群崩壊症候群(CCD)』が世界中で確認され、日本でも養蜂家さんの中にはその事象を確認したとするところもあるそうです(農林水産省的には2016年11月時点では未確認、とのこと)。

ミツバチは単にハチミツを作るだけではなく、農作物の受粉という大きな役割がある(むしろこっちの方が人間への恩恵が大きい)ので、被害が深刻なアメリカなどでは死活問題として取り沙汰されました。

ハニウィキちゃん
結局この問題は解決したんだっけ?
たしか農薬か何かが原因だとか。。。

結論から言うと、解決できていないそうです。

そしてミツバチの大量死に繋がるのは農薬だけではないことがわかってきているようですね。

そこで今回は私自身もこの問題をハッキリ認識するため、どんな要因がミツバチたちを大量死に至らしめているのか情報をまとめました。

ハニウィキちゃん
世界中の人たちの食生活に関わることだもんね。ある程度は知っておこう!

予備知識:ミツバチの恩恵

さまざまな果物のイメージ

ミツバチ大量死の原因の前に、ミツバチの恩恵(主に農作物の受粉)についてちょろっとだけ解説します。

ミツバチのように、作物などの受粉を手助けしてくれる存在を『ポリネーター(花粉媒介者)』といい、農家の中には受粉のためにミツバチを購入するところも少なくありません。

日本ではその経済価値はなんと、4,700億円!農林水産省資料より)

H26年 日本のミツバチ活用状況農林水産省|平成30年3月 施設園芸における花粉交配をめぐる情勢より作成

上のグラフは、ミツバチを利用している農業施設面積が多い割合です。その他の中には「玉ねぎ」「キャベツ」「りんご」「なす」「さくらんぼ」「うめ」「マンゴー」などが含まれます。

ハニウィキちゃん
いまいち凄さがわからないんだけど。。。

確かにこれら数値を見てもピンときませんが、参考にした資料によると、生産されるいちごの89%メロンの74%スイカの45%はミツバチの存在なしには栽培できないそうです。

ミツバチがいないといちごやメロンは食べられなくなると言っても過言ではないですね。。。

ちなみに、農業大国アメリカでのミツバチの経済効果は毎年約150億ドル(約1兆5000億円)!

アメリカで生産される食物の3分の1がミツバチの恩恵によるものと言われています。

食料を輸入に頼る日本にとっても、決して他人事ではありませんね。。。

ハニウィキちゃん
ちなみに、農作物の受粉で活躍しているのは主に「セイヨウミツバチ」。
「ニホンミツバチ」も受粉に協力してくれれば良質な果実を実らせられるみたいだけど、飼育が難しくてあまり活用されていません。

ミツバチの凄さ、なんとなくお分かりいただけたでしょうか?

では次に、「ミツバチがなぜ大量死してしまうのか?」についての情報です。

大量死の原因(1):農薬

農薬散布のイメージ

これまでの経験則や状況から「何かしらの農薬」が原因である疑いが濃厚のようです。

ネオニコチノイド系農薬(世界的にポピュラーな殺虫剤の一種)が原因と一時期発表されていましたが、実はまだ「農薬の中でもネオニコチノイド系が原因だ」というところまでの十分な証拠がなく、特定には至っていないそうです。

なにせミツバチたちが失踪してしまうので、死因が特定しづらいんですね。

農薬の製品や成分の特定はできていないが、どうやら何かしらの農薬が関係しているのは間違いない

というのが現状のようです。

とはいえ、「疑わしいなら禁止」ということで現在はアメリカやヨーロッパ、中国でも使用が禁止されています。

日本では規制されていません。お米や果物、野菜など広く使われています。(というかネオニコチノイド系農薬の緩和が進みました。。。)

ハニウィキちゃん
どうして日本では禁止じゃないの??

その点については、農林水産省の見解を以下にまとめます。

日本がネオニコチノイド禁止じゃない理由

  • お米(稲)の害虫であるカメムシの撃退に有効で、人や水生生物への毒性が低いため。
  • カメムシを効果的にかつ毒性が低く撃退できる農薬は、まだ開発されていない。
  • 欧米のように飛行機やヘリで広範囲に噴霧するようなことはしていないため、農薬が広範囲に影響を与える可能性が低い。

参考:農林水産省|農薬による蜜蜂の危害を防止するための我が国の取組(Q&A)

概ねこのような理由から、ネオニコチノイド系農薬を使っているそうです。

ハニウィキちゃん
いろんな点でモヤモヤしてスッキリしない感じだよね。

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大量死の原因(2):寄生虫

寄生虫のイメージ

ミツバチに害をなす寄生虫としてよく言われるのが、巣を食べてしまう蛾や、ミツバチ体内に寄生して体液を吸うダニなどが有名です。

中でも「アカリンダニ」と呼ばれるダニは、日本でも届出の必要がある伝染病として指定されており、このダニに寄生されたミツバチは餌の調達や育児の能力が低下して、巣の崩壊につながるとさえ言われています

他にもいろんな種類のダニが寄生虫として存在しているそうですね。。。

こういった寄生虫へは薬品を使ったりするそうですが、巣のコロニーごと隔離して処分するしかないことも多いそうです。

ハニウィキちゃん
日本ではダニの被害はあまり報告されていないみたい。

大量死の原因(3):病原体

病原体のイメージ

サックブルード病、ノゼマ病などが知られており、これらはミツバチたちの活動範囲内に蜜源の種類が少ない(=蜜が採れる花の種類が少ない)とこういった病気(病原体)に冒されやすくなることが知られています。

どうやらミツバチたちは色んな花の花粉を食べることで免疫力をつけているようです。

要するに、

自然が損なわれると、ミツバチが病気になりやすい

ということですね。。。

ハニウィキちゃん
環境破壊とかが密接に関係していそうな問題だね。。

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大量死の原因(4):栄養不足

空腹のイメージ

ミツバチの本来の栄養源は「ハチミツ」と「花粉」です。

それがどうやらミツバチたちは、今まで通りの量を確保できなくなってきているようです。

これは今まで見てきた農薬・寄生虫・病原体とも関係していることなのかもしれませんが、他にも地球環境の変化生息地の減少などにより、ミツバチたちが十分な栄養を確保できなくなってきている、という説ですね。

栄養が足りていなければ当然、体は弱りますし、弱れば病気になりやすいですし、さらに食料を集めることが困難になります。女王蜂や幼虫への栄養補給にも支障が出てきますね。。。

ハニウィキちゃん
ミツバチたちは、特に「花粉」からの栄養が重要らしいね。

蜂群崩壊症候群(CCD)への取り組み

研究のイメージ

さて、ここまで原因について見てきました。

農薬を禁止したりと、すぐにできる取り組みは各国で進んでいますが、解決の決め手はまだ見つかっていません。

そんな中、被害が深刻なアメリカで試験的に実施されている取り組みがあります。

ミツバチへの予防接種

簡単にいうと『予防接種』ということのようです。

これはミツバチの病気や農薬への耐性を高めるワクチンを与えるというもの。

ハニウィキちゃん
え?1匹1匹に注射していくの??

いえいえ、もちろんそんなことはできません。

これはどうやら、

女王蜂に砂糖水のような形でワクチンを摂取させ、生まれてくるミツバチたちにもそのワクチン効果を発揮させる

というものだそうです。

試験の結果、ワクチンを摂取した1匹の女王蜂から生まれたミツバチたちは免疫力を養うことができたみたいです。

in honeybees, a protein called vitellogenin binds to bacteria and carries it to the eggs, prompting immune responses in the offspring. The researchers realized they could cultivate immunity in a bee population with a single queen.

(訳)
ミツバチでは、ビテロゲニンと呼ばれるタンパク質が体内細菌によって卵へもたらされ、子孫に免疫反応を促す。1匹の女王蜂でミツバチ全体の免疫力を養えることがわかった。

引用:The New York Times|Vaccine for Honeybees Could Be a Tool to Fight Population Decline

ハニウィキちゃん
でもなんか、、画期的!っていうほどでもないような。。。
地味?な感じ。

と、思うでしょう?

実は21世紀になるまで、昆虫にも免疫力がある」という概念は存在してなかったんです

それは、

昆虫には抗体がないため

抗体は、体内に侵入してきた微生物などの「異物」を認識するために非常に重要です。抗体からの信号があって初めて体内の防御機能が作動するからです。

抗体を持たない昆虫は、そういった意味で「免疫力を持つこと=抵抗力を強めること」ができない、と思われていたんですね。

なので実は「昆虫に予防接種する」というのはとても画期的な取り組みだったんです。

ハニウィキちゃん
なーるほど。大量死の根本的な解決になるといいね!

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日本での取り組み

さて主にアメリカでの取り組みを紹介しましたが、日本ではどうなのでしょう?

ちょっと農林水産省の報告書やWebページを見てきました。

そもそも日本では蜂群崩壊症候群(CCD)は起こっていない

実際はどうかわかりませんが、これが公式見解のようです。

我が国では、2008年から2009年にかけて蜜蜂の蜂群数が減少し、一部地域において花粉交配用蜜蜂の不足が生じました。その原因として、天候不順寄生ダニの被害等により蜜蜂が十分に繁殖できなかったことや、2007年11月から女王蜂の主要供給国である豪州からの蜂の輸入が見合わされていたことなどが考えられました。養蜂家などには、農薬の影響ではないかとする声もありました。
一方、欧米では、働き蜂のほとんどが女王蜂や幼虫などを残したまま突然いなくなり、蜜蜂の群れが維持できなくなってしまう「蜂群崩壊症候群」(CCD)が2000年代から問題になっています。米国では、問題が明らかとなった2006年以降、5年連続で蜜蜂の群れの3割以上が越冬できずに消失し、2011年の冬にも22%の群れが越冬できなかったと報告されています。日本ではこのような現象は見られていません。

引用:農林水産省|農薬による蜜蜂の危害を防止するための我が国の取組(Q&A)

ちなみにオーストラリアからの輸入が見合わされたのは、オーストラリア政府が世界的なミツバチ大量死を受けて、ミツバチの輸出に慎重になったため、とのこと。

とはいえ、やっている対策

しかし、日本で蜂群崩壊症候群が起こっていないとしても、ミツバチが減少傾向にあり、何か対策をしておかなければならないのが現実です。

2013年からミツバチの数について詳細な調査を実施し始めているそうで、現在のところ、

  • 蜜蜂に対する影響試験の結果に基づき、農薬を使用する際に注意すべき事項をラベルに記載することが定められています。
  • 蜜蜂に農薬がかかるのを防ぐため、農家と養蜂家との間の連絡を密にするように指導しています。
  • 都道府県による対策の継続的な実施を促進する
  • 水稲のカメムシを防除する時期(7月~9月頃)には、対策の実施を徹底し、注意喚起を行うため、都道
    府県に対し、通知を発出する。その際、水稲以外の作物についても、情報共有等の対策を行うよう注意
    喚起を行う

引用:農林水産省|農薬による蜜蜂の危害を防止するための我が国の取組(Q&A)

というのが対策として取られている、とのこと。

ハニウィキちゃん
これらをどう捉えるかは、人それぞれだね。

そうですね。

私も今までなんとなく「対岸の火事」みたいな捉え方をしていた気がします。。。

でもこうやってミツバチの恩恵と、危機の原因を調べていくと、その影響の大きさを痛感しました。

ハニウィキちゃん
今回のお話はここまで。最後まで読んでくれてありがとう!

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