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食品としてのイメージの強い「ハチミツ」ですが、意外とコスメにも配合されていたりします。
「ハチミツには保湿効果があり、抗菌作用や栄養素も美容にも良い」
というのがその理由なのですが、中でも「ハチミツ配合のシャンプー」は群を抜いて商品ラインナップが豊富です。
『艶感が出る』
『パサつきがなくなる』
といった効果を謳う商品が多いですが、「なぜそんな効果が期待できるの?」というところまでは中々知る機会がないかもしれません。
そこで今回は「ハチミツシャンプーが髪に与える効果」をちょっと理論的に解説して、その上でハチミツシャンプーのメリットとデメリットをご紹介ししようと思います。
もくじ
ハチミツシャンプーの効果

まずはハチミツシャンプーの効果をカンタンに一覧でご紹介します。
効果 | 説明 |
艶感が出る | ハチミツに含まれるアミノ酸やビタミン・ミネラルが健全な髪を育成を促進してくれる効果が期待できる。 |
パサつきを防いで、しっとりまとまる | ハチミツの保湿効果により、キューティクルが傷むスピードを緩やかにしてくれる効果が期待できる。 |
頭皮を清潔に保つ | ハチミツの抗菌作用(殺菌力)が頭皮の雑菌をやっつけることで、髪の健全な育成・雑菌の臭いを防ぐ効果が期待できる。 |
甘い香りでリラックス | ハチミツ好きにはたまらない。でもこれに関しては個人差が大きい。 |
商品説明でよく謳われているものが並んでいますね。
それでは、それぞれの効果をもう少し詳しく見ていきましょう。
艶感が出る

そもそも髪の艶って何でしょうか?
それは一言でいうと、
『整ったキューティクルが一定方向に光を反射している状態』
のことなんです。


艶感を出すためにはキューティクルを整えるのがすごく大事!
そうなんです。
子供の頃はみんなキューティクルにダメージが蓄積されていないので艶感のある髪なんですが、水分が失われがちになったりカラーリングやパーマを繰り返していると、どんどんキューティクルが失われます。
刺激が強すぎるシャンプーを使い続けてもジワジワ傷んでいきます。
では「ハチミツシャンプー」はこういった髪の事情に対してどんな効果があるのでしょう?
それは、
『頭皮にアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養分を補給してくれる』
ということです。
髪の約90%は「ケラチン」という複数のアミノ酸で構成されたタンパク質でできています。
また髪の育成にはビタミンやミネラルも重要です。
ハチミツにはアミノ酸やビタミン、ミネラルも豊富に含まれているので、こうした栄養素が頭皮(=キューティクルが整った良質な髪の育成)に良い効果を与えてくれると期待できるわけですね。

実はあるんです。
育毛剤とかをイメージするとわかりやすいかもしれません。
「経皮吸収」といって、皮膚は表面にくっついた成分を体内に取り込む働きがあります。
腕などの皮膚に比べると頭皮は3.5倍ほども吸収する力が強いそうですよ!
Q:育毛剤や発毛剤で数々の商品がありますが、根本的に育毛剤などに含まれている成分(栄養?)は頭皮から吸収なんてできるのでしょうか?口から摂取していないのに頭皮から成分が体内に入っていくのには納得できません。
A:育毛剤に限らず、口から摂取するより皮膚(頭皮も含む)から摂取する方が吸収が早いんです。
もちろん何でも肌から吸収させることはできませんが、口から摂取した場合は、食道を通って胃に送り込まれます。
そして胃で分解されるわけです。
直接皮膚で吸収すると、分解されることなく体内に取り込めてしまいます。
皮膚は皮膚呼吸をしてます。
頭皮の部分も含めて胃より吸収力が高いのです。引用:Yahoo!知恵袋
画像出典:www.maruho.co.jp 経皮吸収量は頭皮は腕の内側の皮膚に比べて3.5倍です。
その上皮膚温度が10℃から37℃に上がると吸収される量は10倍になると言われています。引用:Naverまとめ

ですです。
髪の育成は頭皮の毛細血管から栄養分を補給していますので。
誤解されている方が多いかもしれませんが、髪の毛そのものに栄養分を与えても細胞は修復したりしません。
髪の毛は『死滅細胞』のため、一度壊れたキューティクルは自己修復はしないのです…
キューティクルが傷んだ髪に艶感を取り戻すには、
「健全な髪を育成しなおす」か、「傷んだ髪をコーティングしてごまかす」かのどちらかの選択肢しかないのです(泣)

パサつきを防いで、しっとりまとまる

これも前述のキューティクルの痛み具合が関係していますが、パサつきのもう1つ大きな要因として『髪の保湿』があります。
髪がパサつくというのは、キューティクルが傷んでいているという他に、
『髪の水分量が少ない=保湿されていない』
ということです。お肌の乾燥と似てますね。
髪の毛も乾燥してしまうとキューティクルの傷むスピードが早くなり、せっかく頭皮で健全な髪が育成できたとしても、すぐに艶がなくなってパサつきます。
さらに頭皮も乾燥してしまうと髪の毛への栄養補給が滞ってしまいます。

そういうことですね。
ハチミツは吸湿性(空気中の水分を吸収する性質)が強い上に、もともと保湿の効果があると言われています。
はちみつには高い保湿効果があると言われています。空気中の湿度を吸い込む吸湿性があるうえ、肌の水分を逃がさない保湿としての働きをします。
はちみつを使用した化粧品が存在する多くの理由は、このはちみつの保湿性を美容として活用しているからです。
引用:長坂養蜂場|はちみつについて

美容で「保湿」ってかなり大事だもんね!
頭皮を清潔に保つ

ハチミツには抗菌作用があります。
最近は抗菌作用の強いマヌカハニー(ニュージーランドに生えるマヌカの花のハチミツ)が話題ですね。
この抗菌作用(=殺菌効果)が頭皮を清潔な状態にしてくれることが期待できます。

ハチミツの種類にもよりますが、共通して言えることは、ハチミツに含まれる「グルコースオキシダーゼ」という成分が関係しています。
グルコースオキシダーゼは空気中の酸素と反応すると「過酸化水素」を生み出します。
オキシドールとかにも含まれている殺菌成分です。

ほら、最近ボツリヌス菌とか騒がれてるじゃない…
ハチミツの抗菌作用に関しては特にリスクは報告されていないようです。
ボツリヌス菌に関してはシャンプーでは気にしなくていいと思います。
ハチミツに含まれるボツリヌス菌は芽胞と呼ばれる胞子の卵のような状態で、皮膚細胞に比べるとかなり大きいので、前述の経皮吸収のリスクはほとんどありません。(ハチミツ配合のシャンプー液を赤ちゃんが口にしてしまうのは絶対に避けるべきですが)

ハチミツに含まれるボツリヌス菌は人間の腸内のような適温・高湿の環境になるまで休眠状態なので、毒素を出しません。
仮に毒素があったとしても皮膚から吸収されることはないようです。
ボツリヌス菌毒素は、傷口は別として、皮膚からは侵入しません。
引用:横浜市衛生研究所|ボツリヌス症について
そもそもボツリヌス菌はハチミツの専売特許ではなくて、土壌・河川・湖沼・海など、自然界のどこにでもいる菌です。存在していないのは空気中くらいなものでしょうか。

洗ったり加熱したりすれば大丈夫ですよ。
ハチミツの場合はその強い抗菌作用のおかげで、ボツリヌス菌が殻に引きこもって防御しているんですよ。
この殻がやっかいで、熱に強いという特徴があります。
だから多少加熱したくらいじゃボツリヌス菌は殺菌できないですし、だからと言ってハチミツ自体を洗うわけにもいかないので、食品としてのハチミツではボツリヌス菌が問題になるわけです。

それはよかったです。話が盛大に逸れてしまいましたね(汗)
でもハチミツシャンプーのリスクをあえて挙げるなら1点だけあるでしょうか。
それは『ハチミツアレルギー』です。
極々稀にハチミツに対してアレルギー反応を示す人がいます。
以下に当てはまる人は注意です。
ハチミツアレルギーの疑いのある人
- ハチミツを食べると、発熱・発疹・下痢・息苦しさなどが高確率で起こる
- ハチミツが肌に触れるとその部分が赤くなる・発疹が出る
上記のような方はシャンプーもハチミツ配合は避けたほうが無難と思われます。

甘い香りでリラックス

さて、最後に「香り」について。
正直、ハチミツシャンプーの効果として挙げるべきかどうか悩みましたが、気になる人も多いかな?とも思ったので一応ご紹介することにしました。
冒頭の表でも記載していますが、香りは人によって感じ方が全然違います。
同じ商品の口コミを見ても、
「ものすごく甘い香りで癒される。最高!」
「ほんのり香るくらい。」
「香りはほとんどありません。」
「すごく匂いがキツイ!けっこうつらい…」
などなど、本当に同じ商品の口コミなのかな??と思ってしまうくらい千差万別です(笑)

う〜ん…香りの強さの感じ方にすごい開きがあるんですよね。
さらにもう1つ個人差が大きいなぁと感じるのが『香りの持続性』です。これも同じ商品でも、
「香りを感じるのはシャンプーしている時だけです。」
「翌朝までいい香りがふんわり漂います!」
という感じでバラバラですね。
持続性については、シャンプー後のトリートメントの有無やドライヤーの当て方、その他もろもろのヘアケアで左右されるのかなと思います。
なので香りに関しては、
『香りの好み・強弱は人ぞれぞれに依るところが大きい』
『香りの持続性はシャンプー後のヘアケアによって大きく変わる』
ってことですね。
なんだか「当たり前やん!」と言われてしまいそうなことを書いていますが(汗)

ハチミツシャンプーのメリット・デメリット

さてここまでハチミツシャンプーの効果についてご紹介してきましたが、以下にハチミツシャンプーのメリットとデメリットをまとめます。
ハチミツシャンプーのメリット
- キューティクルの正常化(艶感やまとまり)が期待できる
- 表面上の髪の毛のケアではなく、頭皮から健全化できる
- その結果、刺激の少ないオーガニックシャンプーになりやすい
ハチミツが持つ栄養素や保湿効果、抗菌効果が『乱れた髪や頭皮のバランスを整える』というのがまず大きいですね。
そのため髪の艶出しや保湿を化学薬品に頼らなくてよくなる結果、
「刺激が少ない」=『髪や頭皮への負担が少ない』
というところにつながり、オーガニックなシャンプーが完成しやすいようです。
一方でデメリットは、
ハチミツシャンプーのデメリット
- 期待する効果が出るまでに時間がかかりやすい
- 香りを期待しすぎるとガッカリするかも!?
- ごく稀にアレルギーを示す人がいる
というところでしょうか。
ハチミツ配合のシャンプーは強力な成分を配合しない商品が多いので、使い始めは、
『う〜ん…今まで使っていたものに比べて泡立ちが少ない?』
『なんか効果が実感できないんだけど…』
と感じる人も少なからずいるようです。

だから、髪や頭皮にはとても良いものなんだけど即効性はあまりない、というパターンが多いかな。
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ハチミツシャンプーは市販と手作り、どっちがいいの?

ハチミツシャンプーに興味を持った方なら一度は聞いたことがあると思いますが、自宅でもカンタンにハチミツシャンプーを自作できます。
おおよその作り方は以下の通りです。
作り方は400〜500mlの市販品に大さじ1のはちみつをまぜるだけ。使用時によくまぜるのがコツ。一度にたくさん作れて便利です。
はちみつ入りコンディショナーも併用すれば、指通りがサラサラに。
意外とカンタンですね!
(ただし使うハチミツは「生ハチミツ」か「本物の純粋ハチミツ」でないと効果がないです。近所で手に入る比較的安いハチミツは、たとえ「純粋」という表記があっても栄養素が極端に失われているので…)
「市販と自作どっちがいいのかな?」
という声もちらほら聞くので、以下に市販または自作に向いている人のタイプをご紹介します。
市販品が向いている人
- 時間や手間をかけたくない
- 生ハチミツや本物の純粋ハチミツを選ぶのが面倒
- 事前に口コミを参考にしてしっかりした商品を使いたい
- ヘアケアにそこまでコストを切詰めなくてもいい
市販が向いているのは「時間・手間・品質とコストを天秤にかけて前者が大事だと思う人」です。
市販品の強みは、法的にある程度の品質レベルはクリアしているのと口コミ情報がある点です。
一方で、自作はどんな人に向いているかというと、
自作が向いている人
- コスメに限らず自作が好き
- 可能な限りコストを抑えたい
- いろんなハチミツを試して効果の効き具合を楽しみたい
このような感じで『自分でアレンジして楽しみたい』という人でしょうか。
コストについては、効果のある「生ハチミツ」や「本物の純粋ハチミツ」はある程度の値段はするので、割に合わないと感じる人もいるかもしれないです…(それでも市販品よりは安く作れるハズです)
ちなみに香りに関しては、みかんの花から採れる「みかんハチミツ」、ラベンダーの花から採れる「ラベンダーハチミツ」など、花や実の香りの特徴を継承したハチミツは数多くありますが、自作シャンプーに使うハチミツはごく少量なので、それらの香りの個性はあまり感じられないかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ハチミツシャンプーの効果についてご紹介してきました。
まとめると、ハチミツに含まれるアミノ酸・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が健全な髪の育成を手助けして、ハチミツの保湿効果・抗菌作用が髪や頭皮を清潔に保湿してくれる、ということのようです。
市販品でも数多くのハチミツシャンプーが出ているので一概には言えませんが、口コミやハチミツの髪・頭皮への効果を考えると以下のようなメリット・デメリットがありそうです。
ハチミツシャンプーのメリット
- 頭皮に働きかけてキューティクルの正常化が期待できる
- 髪の保湿効果が期待できる
- 表面的なケアではなく、髪の根本の解決を目指したものが多い
- その結果、髪の艶感やまとまりが期待できる
- 刺激の少ないオーガニックシャンプーが多い
ハチミツシャンプーのデメリット
- 期待する効果が出るまでに時間がかかりやすい
- 香りの感じ方は個人差がかなり大きい
- ごく稀にアレルギーを示す人がいる

そうですね。シャンプーにはハチミツ以外の成分もたくさん配合されていますものね。
今、巷では「経皮毒」(シャンプーに含まれる成分が頭皮から体内に入って蓄積される)という概念も飛び交っているので、オーガニックなシャンプーはますます需要が伸びてくるのかもしれません。
しっかり情報収集をされてご自分にピッタリなシャンプーを見つけてください!

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