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マヌカハニーというハチミツをご存知だと思います。
ハチミツ自体が元々スーパーフードと言われるくらい栄養豊富ですが、マヌカハニーはそれに加えて強い抗菌作用が確認されているのは周知のことです。
でも具体的に、
『どんな栄養価が含まれているのか』
『それらの成分はどんな効果を体にもたらすのか』
というところまではラベルには記載されていません。
このページでは、
「体にいいって言うけど、それはどんな成分が作用しているの?」
「マヌカハニーや一般的なハチミツには、どんな栄養価があるの?」
「危ない成分とか入ってないの?大丈夫?」
といった疑問が解決できるような情報をお届けしようと思います!
まずはマヌカハニーだけに特に多く含まれる有効成分をご紹介して、そのあと一般的なハチミツの栄養価とその成分ごとの効果・効能を一覧形式でご紹介しますね。
口内炎や喉の痛みを抑える効果やスキンケア、整腸作用など多くの効果・効能があるとされていて興味を持っている人も多いかと思います。
そうですよね。情報を出す側も受け取る側も”誰がそんなことを言っているのか”まではなかなか調べないと思います。
でもこのページではちゃんと引用元を明示して、その内容もちゃんと確認した上で情報をお出しします!
だって口の中に入るものですから!
中にどんなものが含まれているのか知っておきたいですよね。
なるべく簡潔にわかりやすく解説できるように心がけますので、どうぞお付き合い宜しくお願いいたしますm(_ _)m
このページに記載の情報は、基本的にある程度認知度のある研究論文や書籍などを参考にしておりますが、効果・効能を保証するものではありません。
出処不明な大雑把な情報に比べれば信憑性が高いというくらいの認識でお願いいたします。
1歳未満のお子さんにはマヌカハニーに限らず、ハチミツを与えてはいけません!
もくじ
まずはカロリー値から。

さて、まずは皆さん気になるカロリーからです!
下の表はマヌカハニー・一般的なハチミツ・そしてその他主な甘味料のカロリー値です。
名称 | 100gあたりカロリー |
マヌカハニー | 300kcal |
一般的なハチミツ | 294kcal |
グラニュー糖 | 386kcal |
黒糖 | 354kcal |
水あめ | 327kcal |
メープルシロップ | 240kcal |
参考:日本食品分析表
これらの数値は品種などで多少上下しますので参考程度にお願いします。
砂糖代わりに使う場合は、マヌカハニーや他のハチミツは甘さを強く感じる食品なので、分量は砂糖の1/2で良いと言われています。
それも考慮すると結構なカロリー節約になりそうですね!

マヌカハニーの栄養価の特徴

マヌカハニーは特に抗菌作用(殺菌力)が他のハチミツに比べ、ずば抜けて強いです。
そのためマヌカハニーを口内炎や喉の痛みを解消する手段として考える人も多いはずです。
一般的なハチミツにもある程度強い殺菌力はありますが、この差はマヌカハニーに特に多く含まれる独自成分があるため。
近年では殺菌力以外の効果も研究されており、「メディカルハニー」として医療分野での応用が期待されています。通常のハチミツではここまでの扱いはされませんでした。

そうなんです。だからこそ色んな情報が出てきて混乱してしまうのですが…(; ^ω^)
さて!それではそろそろマヌカハニーの特別な栄養価について解説していきます!

マヌカハニー栄養価の中の注目成分とは?
結論から言うとそれはMGO(メチルグリオキサール)です。
マヌカハニーの商品を手に取ると、”MGO”とか”MG”とかの何かのグレードを表記しているのをよく見かけると思います。
そのMGOというのはこの”メチルグリオキサール(Methylglyoxal)”の成分名から取ってきた規格なんです。
ではどんな効果・効能が言われているのでしょうか。
効果実証 | 効果・効能 |
確定 | ・強い抗菌作用(殺菌力) |
可能性あり | ・抗ウイルス作用(A型・B型インフルエンザウイルス抑制) ・抗ガン作用(ピロリ菌抑制) |
ちなみに効果・効能の実証が確定というのは、
”国内外の医療機関で正式に治療薬として採用されているレベル”
のものとします。
現在研究が進められているもの、医薬品として認可待ちなどの効果・効能は”可能性あり”という表記にしています。
口コミや出処不明の噂レベルのものはここには表記しません。
また、さらに研究が進んだり、私が情報収集できたものについては随時加筆していきます。
では次にこのメチルグリオキサールについての詳細な解説をしていきましょう!

次の項はマヌカハニー含め、ハチミツに含まれる栄養成分と効果の一覧だよ!
MGO(メチルグリオキサール)
長年、マヌカハニーには「何か特別な抗菌成分が含まれている」と認識されていましたが、つい最近までその正体がわからずじまいでした。
世界中の研究者たちがこぞってその成分を突き止めようとして、ついに2008年にドイツの大学でその正体が判明します。
それが”メチルグリオキサール”だったのです。
養蜂家や研究者などのマヌカハニー関係者としては、
「長年謎の成分だったが、ようやく見つけてやったぞ!ヤッタネ!!」
というくらい感慨深い成分なんですね。

”海外で医療認可が下りている”レベルの効果は抗菌作用だけな気がします。
他にもいろいろ特異な効果があるとする研究結果も報告されていますが、それらも含めて以下に解説していきますね!
高い抗菌作用

Wikipedia(英語版)のメチルグリオキサールの項にこんな記述がありました。
Since methylglyoxal is highly cytotoxic, the body developed several detoxification mechanisms.
【訳】メチルグリオキサールは細胞毒性が高く、身体はいくつかの解毒機構を発達させた。
引用:Wikipedia|Methylglyoxal

そうですよね!私もこれを読んだときは、
「なんだよ!身体に悪いんじゃん!激おこだよ!」
と思いましたが、その後ろに続いている文章も重要です。
”身体はいくつかの解毒機構を発達させた”というのは、人間などある程度の代謝機能を持った生物はメチルグリオキサールを解毒する仕組みを持っている、ということです。
しかしながら、複雑な代謝機能を持たない細菌などは、そういった解毒はできないので、高い毒性の影響をモロに受けます。
これがマヌカハニーの高い抗菌作用の理由だと思われます。
実際、このWikipediaの記事の最後にはこう書かれています。
Methylglyoxal is a component of some kinds of honey, including manuka honey; it appears to have activity against E. coli and S. aureus .
【訳】メチルグリオキサールは、マヌカハニーを含むいくつかの種類の蜂蜜の構成成分であり、大腸菌(E.coli)および黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して活性を有する。
引用:Wikipedia|Methylglyoxal
出典元:American journal of therapeutics.|Antimicrobial properties of honey(Israili, ZH)
活性を有するというのはこの場合、メチルグリオキサールの細胞毒性が細菌に対して有効である、という意味になります。

やっぱり気になりますよね(笑)
結論から言うと、マヌカハニーやその他ハチミツを食べてもビフィズス菌などの乳酸菌は減らず、むしろ増える傾向があるそうです。海外の臨床実験などで立証されているみたいです。
なんでそんな都合のいいことになるのか解説し始めると話が逸れてしまうので、また別のページで詳しく解説します!

そうですね。それは少し言及しておいた方がいいかもしれません。
再三のWikipediaからの引用で恐縮ですが、
Due to increased blood glucose levels, methylglyoxal has higher concentrations in diabetics and has been linked to arterial atherogenesis. Damage by methylglyoxal to low-density lipoprotein through glycation causes a fourfold increase of atherogenesis in diabetics.
【訳】血糖値の上昇により、メチルグリオキサールは糖尿病患者においてより高い濃度を有し、動脈アテローム発生に関連している。 メチルグリオキサールから低密度リポタンパク質への糖化による損傷は、糖尿病患者のアテローム発生の4倍の増加を引き起こす。
引用:Wikipedia|Methylglyoxal
出典元:American journal of therapeutics.|Glycation of LDL by methylglyoxal increases arterial atherogenicity: a possible contributor to increased risk of cardiovascular disease in diabetes.(Rabbani N, etc.)
これによるとどうやら、糖尿病疾患のある人が摂取しすぎるとメチルグリオキサールの分解がうまくいかず、良くないという研究結果のようです。

耐ウイルス性

さて耐ウイルス性ですが、これは長崎大学の研究論文が割と有名です。
Our results showed that MGO has potent inhibitory activity against influenza viruses and also enhanced the effect of NA inhibitors. Thus, the co-administration of MGO and NA inhibitors should be considered for treatment of influenza virus infections.
【訳】MGOがインフルエンザウイルスに対する強力な阻害活性を有し、またNA阻害剤の効果を増強することを示した。 したがって、インフルエンザウイルス感染の治療のためには、MGOとNA阻害剤の併用投与を検討すべきである。
出典元: Archives of Medical Research|In Vitro Evaluation of Synergistic Inhibitory Effects of Neuraminidase Inhibitors and Methylglyoxal Against Influenza Virus Infection(Siriwan Charyasriwong, etc.)
MGOはメチルグリオキサール、NA阻害剤というのはノイラミニダーゼという抗ウイルス薬の総称です。
この論文の中ではA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスの両方にメチルグリオキサールの効果があったとあります。
この研究では、実際にインフルエンザウイルスがメチルグリオキサールによってどれほど活動が弱まったかを実験によって確認したものです。
どういった理屈でウイルスが弱まっていったのか?までは言及されていないようですので(私の読解力不足だったら関係者の皆さま、大変申し訳ございません!)、まだ研究の余地がありそうです。

抗ガン作用

これはおそらくピロリ菌の除去に関連する効果・効能ですね。
ピロリ菌は胃ガンの要因のひとつとされており、これが転じて”抗ガン作用”と認識されたのでは?と私は思っています。
”ピロリ菌を除去する”というのは厳密には抗菌作用になります。
とはいえピロリ菌が気になる人も多いと思いますので、ここで少し解説しますね。
まずは引用から。
H. pylori induced NF-kB and AP-1 DNA-binding activity in gastric epithelial cells. Manuka honey inhibited H. pylori-induced NF-kB and AP-1 in a time- and dosedependent manner.
【訳】実験で用いたピロリ菌は胃細胞皮にてNF-κBおよびAP-1 DNA結合活性を誘導させたもの。マヌカハニーは、NF-κBおよびAP-1 DNA結合活性を時間的および用量的に阻害した。
出典元:Archives of Medical Research|Molecular Mechanisms of Natural Honey Against H. pylori Infection Via Suppression of NF-kB and AP-1 Activation in Gastric Epithelial Cells(Mohamed M.M. Abdel-Latif, etc.)
論文の一部分から引っ張ってきているので若干和訳が揺らいでますが(; ^ω^)
H. pyloriはピロリ菌のこと。(ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリなので)
NF-κBやAP-1は人間の細胞の中にあるタンパク質の一種で、細胞分裂を制御しているものです。これが何かしらの刺激を与えすぎて暴走すると異常細胞の増加につながるとされています。
つまり上の引用文を簡単に言うと、
”ピロリ菌によって細胞分裂を暴走させた状態にした胃の細胞に、マヌカハニーを与えたら暴走の抑止効果が見られたよ!”
ということです。
これがピロリ菌そのものを除去(殺菌)したからなのか、それとも胃の細胞もしくはタンパク質に何か直接的に働きかけたのか、まだちょっと確認できてないです(汗)
もうちょっとこの論文を読み込みます。。。

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ハチミツ全般の栄養価と効果・効能
さてここからはマヌカハニーも含めて、ハチミツにはどんな栄養価があるのか簡単に見ていきましょう。
ハチミツに含まれる栄養成分は実に180種類あるとも言われていますが、ここでは代表的なものを挙げていきます。
それだけでも結構なボリュームになりますので、何かの際にご活用くださいm(_ _)m
糖類
成分名 | 効果・効能 |
グルコース | ブドウ糖の最小単位。素早く体に吸収されエネルギーになる。 |
フルクトース | 強い甘みを感じさせる果糖。エネルギーとして代謝されやすい。 |
マルクトース | 麦芽糖の一種。少糖類(単糖類と多糖類の間)で比較的吸収されやすい。 |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
体を動かすエネルギー源になる糖類ですが、ハチミツにおける糖類の特徴は何と言っても”単糖類”であるということです。
意外と身の回りの食べ物で単糖類は滅多にありません。(化学合成品とかは除く)
通常は米やパンなどを”でんぷん”として摂取して、体内の色々な消化酵素を介し、小腸あたりでようやく単糖類に分解され、体に吸収されます。

有機酸
成分名 | 効果・効能 |
グルコン酸 | ビフィズス菌を増やし腸内環境を整える。ミネラル分の吸収を助ける。 |
クエン酸 | エネルギー生成の回路の働きをする。 |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
グルコン酸はビフィズス菌を増やしたり、ミネラル分の体への吸収を助けてくれることで有名ですね。
そのため便秘解消や貧血予防などに効果アリとも言われています。
クエン酸は上記表には”エネルギー生成の回路の働きをする”と簡潔に書いていますが、これ、かなり重要な体の仕組みだったりします。
詳細は割愛しますが、クエン酸回路がうまく働かないと、摂取した栄養が体のエネルギーにうまく取り込まれず、乳酸がどんどん溜まっていくんだとか((((; ゚Д゚)))

酵素
成分名 | 効果・効能 |
α-グルコシダーゼ | ショ糖を果糖とブドウ糖に分解する。エネルギー吸収を補助する。 |
グルコースオキシダーゼ | ブドウ糖からグルコン酸と過酸化水素を作る |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
ここで重要な成分が出てきました!(どれも重要ですが…)グルコースオキシダーゼです。
上の表では”過酸化水素を作る”とあります。そしてその過酸化水素こそ、ハチミツには抗菌作用があると言われる所以なのです!
殺菌剤や漂白剤などに広く用いられ、オキシドールなどもこの成分によって殺菌力を発揮しています。

ビタミン類
成分名 | 効果・効能 |
ビタミンC | 造血作用、免疫力補強、老化防止 |
ビタミンB1 | 糖質の代謝を促す |
ビタミンB2 | 脂質の代謝を促す |
ビタミンB12 | 赤血球の形成を助ける |
ナイアシン | 皮膚の健康を保ち、消化を促進 |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
はちみちに含まれるビタミンでよく言われるのが、
”ハチミツに含まれるビタミンの92%は活性である”
というもの。ビタミンには活性と不活性があり、不活性だと大量に摂取しなければ体に吸収されず、意味がないそうです。
このハチミツのビタミン活性については、私も情報収集中なのでサラッと触れる程度にします。

ミネラル類
成分名 | 効果・効能 |
ナトリウム | 心臓、筋肉の調整 |
リン | 骨や歯、筋肉を作る |
鉄 | 赤血球の形成を助ける |
カルシウム | 骨や歯を作る |
カリウム | ナトリウムの排出を促して血圧を調整する |
マグネシウム | タンパク質の合成、エネルギー代謝を促す |
銅 | 鉄と協力して赤血球の合成を助ける |
亜鉛 | タンパク質の合成、骨の発育に関わる |
マンガン | 生殖と成長を正常化する |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
次にミネラル分ですが、これらはそれぞれに特徴があり、体にとってなくてはならない成分です。
ハチミツにはミネラルの吸収を助ける有機酸も含まれていますので、割と効率よく吸収してくれるのかな?と個人的には思ってます。(確証はありませんが…)

アミノ酸
成分名 | 効果・効能 |
バリン | タンパク質を合成する。 |
ロイシン | 筋肉を維持する。 |
イソロイシン | 筋肉を作り、ヘモグロビンを形成する。 |
アラニン | エネルギーとなる糖質に変わる |
リジン | 成長ホルモンの分泌を促す |
アスパラギン酸 | 神経伝達物質の合成に関わる。 |
グルタミン酸 | 老廃物の解毒に関わる |
ブロリン | コラーゲンの材料になる |
スレオニン | 成長促進に関わり脂肪肝を抑制する |
メチオニン | タンパク質を作るときに最初に働く |
ヒスチジン | ヘモグロビンや白血球の合成に関わる |
フェニルアラニン | 脳内神経伝達物質の材料 |
チロシン | 脳内神経伝達物質やホルモンの材料 |
グリシン | コラーゲン、赤血球の材料 |
セリン | 様々な酵素に含まれる |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
アミノ酸は体の様々な組織の材料になるのが特徴ですね。人体の約20%を占めるタンパク質を作っています。
皮膚の材料や老廃物の解毒など、美容的に重要な役割を果たす効果が期待できるのも特徴でしょうか。
脳内伝達物質の材料になるアミノ酸もあり、ストレス軽減や抗うつとして研究が進んでいるのも現代社会では見逃せない効果ですね。

ポリフェノール類
成分名 | 効果・効能 |
カフェ酸 | 植物に含まれる化合物で、強力な抗酸化作用が期待される(?) |
ρ-クマル酸 | |
フェルラ酸 | |
ケンフェロール | |
クリシン | |
ケルセチン | |
ρ-ヒドロキシ安息香酸 | |
バニリン酸 | |
バニリン | |
シリングアルデヒド | |
ガランギン |
参考:Dr.クロワッサン ハチミツが健康と美容に効く! (マガジンハウスムック)
主に植物の光合成によって生成される色素や苦味の源ですね。
ワインやコーヒーに豊富に含まれており、1990年代になって一気に認知度が上がり注目された成分ですね。
上の表で”抗酸化作用が期待される(?)”とちょっと濁した表記にしているのは、まだその効果・効能がハッキリわかっていないから。
効果があるとする健康食品はいっぱいありますが、厚生労働省も”日本人の食事摂取基準”にポリフェノールを盛り込んでいないことを考えると、まだ不透明な部分があるようです。

今回はここまで!不明瞭なところもありますが、別の見方をすれば可能性に満ちているのがハチミツです。
紀元前の遥か昔から”甘味料”と言うよりは”薬”として珍重されてきていたハチミツ。気軽に試してみるのもいいかもしれません。
それでは、良いハチミツ生活を!
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